最近、がん治療は、
病院の中でするものではなくなりつつあり、
外来化が急速に進んできていると言われています。
それに伴って、
危険性の高い薬である抗がん剤は、
薬剤師や医師などによる服薬指導が重要になると同時に、
副作用の発現にも注意が必要となっています。
そこで、院外処方で最も多く扱われると考えられる
経口抗がん剤のひとつである
「アリミデックス(成分名:アナストロゾール)」
の特徴や副作用について整理してみます。
アリミデックスとは?
アリミデックス(成分名:アナストロゾール)は、
閉経後の乳がんに使われる抗がん剤です。
乳がんは、
エストロゲンという女性ホルモンが作用することによって発症し、
がん細胞が活性化してしまいます。
すなわち、このエストロゲンの作用を抑制すれば、
がん細胞の活性化も抑えられます。
閉経前は卵巣でエストロゲンが大量に生成されますが、
閉経後は男性ホルモンのアントロゲンから
エストロゲンを生成します。
アリミデックス(成分名:アナストロゾール)は、
アストロゲンからエストロゲンの生成過程に関与している
アロマターゼという酵素の働きをブロックすることによって、
エストロゲンの生成を抑えます。
そのため、アリミデックスは
閉経後の乳がんに抗がん剤として使われます。
患者が閉経しているかどうかの判断基準のひとつが年齢で、
日本人の場合50歳前後で閉経することが多いようです。。
副作用で関節痛とその他症状!
アリミデックス(成分名:アナストロゾール)の服用による
代表的な副作用として下記のようなものが報告されています。
関節痛・関節のこわばり
服用患者の約40%の方に
手のこわばりなどの関節痛の副作用が見られます。
服用後2ヶ月以内に発症することが多いです。
重症化すると治療が厄介なので、
速やかに症状を発見することが重要です。
骨粗しょう症
服用患者は骨密度が1年ごとに2%低下する
という報告があるため、骨粗しょう症のリスクがあります。
骨粗しょう症のリスクが高まる理由として、
エストロゲンには骨が溶け出すのを抑える作用があるのに、
そのエストロゲンの生成をアリミデックスが抑制しているため、
骨が溶ける抑制力を弱めてしまっているからです。
ただし、骨粗しょう症を予防する処方はあります。
その他の副作用
・肝機能検査値の異常
・ほてりや倦怠感
・発疹
などそのほかにもいろいろあります。
最後に、閉経後の乳がんに服用する抗がん剤の
アリミデックス(成分名:アナストロゾール)は、
いろいろな副作用があるのを
それなりにお分かりいただけたと思います。
また、持病やアレルギーのある方、
腎臓や肝臓の良くない方は、
医師とよく相談して服用してください。